資格取得
行政書士

 

 行政書士試験勉強アドバイス

1)勉強を日課にする
平日、休日関係なく毎日平均2〜3時間/日すると決める。

2)基本テキストを何回も読み返す。
同じテキストを何回も読むことにより、前にはわからなかったところがわかるようになったり、バラバラだった知識が有機的に結びついていきます。基本テキストを中心に据えて、補助テキストを上手に利用すること(辞書代わりに)をオススメします。

3)文章を普段から早く読むよう心がける。
普段から文章を早く読むことを心がけていると、少しずつ早く問題を理解することができるようになります。試験時間の有効活用にもなりますので、普段から意識して、早く読めるところはどんどん速読していきましょう。ただし、速読マスターになる必要はありません。

4)眠いときは寝る。
仕事等で疲れたまま夜勉強するより、仮眠を取ってすっきりした頭で勉強した方が、知識の吸収効率、理解力がまるで違ってきます。よる残業等で仕事が遅くなるような方は、早朝に早起きして勉強されることをオススメします。

 平成18年度行政書士試験合格体験記

☆直接人の役に立つ仕事がしたい、専門知識を身につけて独立して仕事がしたい
 私が、行政書士試験を受験しようと決意したのは平成18年2月でした。当時は技術系の会社員をやっていましたが、将来的には直接人に役立つ仕事がしたい、専門知識を得て独立したいという希望をもっていたので、それに見合う資格として行政書士という資格が以前から気になっていて、30歳になったのを契機に受験にチャレンジすることに決めました。1年で勝負するつもりで、受験勉強に役立ちそうなものにはお金の出し惜しみをせず、気になったものはすべて手を出してみました。なぜ私がそこまでしたかというと、もし受験に失敗しても2年目にその経験が生かされると思ったからです。最初は手探りで市販の参考書を買ったり、通信教育を申し込んだりしましたが、なかなかしっくり来るものがありませんでした。あるときインターネットで情報収集をしていたときに、出会ったが資格の学校TACでした。その時はやっぱり国家資格を取得するなら、予備校に通うのがベストなのかなとちょうど思い始めていた頃でした。とりあえず、TACの無料説明会で話を聞いてから決めようと思い説明会に参加しました。説明会では実際の担当講師の話を聞くことができました。その担当講師が非常に熱意のある方で、この先生のもとなら頑張れそうだと思い、その場ですぐTACに受講申し込みをし、私の本格的な受験生活が始まりました。
☆勉強を日課にする 私は、平日、休日にかかわらず毎日2時間〜3時間勉強することを日課にしていました。週に一日勉強をしない日を作る方もいらっしゃるとは思いますが、私はそれをするとなにかと理由をつけて勉強しなくなっていくのではと思い、勉強しない日を作らないようにしていました。どんなに忙しくても最低1時間は勉強するようにしていました。自分に対する甘えを断ち切るためどんな理由があろうと勉強は毎日するようにしてました。そのかわり休日だからといってたくさん勉強時間を取ったりすることはしませんでした。毎日平均3時間と負担のかからない設定にして、無理のない範囲で毎日の日課として勉強を続けました。
●主な使用書
・ユーキャンの行政書士講座
・NewtonのTLTソフト
・図解雑学民法(ナツメ社)
・楽学行政書士 法令編1(住宅新報社)
・TACの基本テキスト(講義用のテキスト)非売品
・TACの憲法、行政法判例集 非売品
・TACの過去問題集 非売品
・TACの発展問題集(公務員系試験中心に編集されたもの)非売品
・法学検定試験問題集3級行政コース(法学検定試験委員会編)
・個人情報保護法のしくみと実務対策(日本実業出版社)
・行政書士試験突破塾(http://www1.odn.ne.jp/toppajuku/)記述式問題集
☆科目別勉強法
 資格の学校TACの講義は毎週末。生講義一回きり。聞き逃したら終わりという緊張感ゆえ講義では、非常に集中でき、また少しでも重要なことを聞き逃さないようにということで黒ボールペン1本で望みました。カラーペン等は時間のロスになるので用いませんでした。講義中は、重要な部分にアンダーラインを引いたり、重要条文の目的や趣旨などの説明があったときは、後で忘れないようにしっかりテキストに書き込んだりしていました。講義後の自宅学習では、講義で重要なところをアンダーラインしていた部分を中心に、TACの基本テキストの熟読を繰り返し行いました。試験までに各科目それぞれ10回以上は基本テキストを始めから終わりまで読み返しました。私の勉強の基本は同じテキストを何回も読み込むことにあります。何度も読み返しているうちに前にわからなかった部分が理解できたり、バラバラだった知識が有機的に頭の中で結びついていくからです。以下、科目別の具体的な勉強を紹介します。
[憲法] 条文を毎日音読。このとき覚えようとせず、早く正確に読むことをこころがけました。早く正確に読むことは脳の活性化にもつながるので勉強の始めや、休憩時に10分〜20分くらいかけてやってました。個々の条文はTACの基本テキストに沿って、その意味を確認しながら、特に大事な条文は覚えるよう意識して読みました。近年のテストでは憲法判例からの出題も多くなってきています。判例についても、TACの基本テキストの判例の重要論点部分を何度も読み返し、細かいところが気になったときは理解を深めるためにTACの憲法判例集をみて、頭の中を整理していきました。問題演習はTACの過去問題集、TACの発展問題集を使用しました。
[民法] 私は全くの法律の初心者だったのでTACの講義を受ける前に、市販の非常に容易に書かれた民法の本を一冊読んでから講義に望みました。使用した参考書は図解雑学民法(ナツメ社)です。民法では、善意、悪意、物上保証人等、なじみのない法律用語がたくさんでてくるので、法律書初心者である私の場合、まずは講義の前に簡単に通読できる本の必要性を感じたので、上記の本を利用しました。講義では上記本のおかげで基本用語の理解はできていたので、スムーズに理解することができました。講義で使用されるTACの基本テキストは表などを用いており、論点別に非常に良くまとまったテキストで、また講義用のレジュメも用意されており論点を整理するのに非常に役に立ちました。講義の後はひたすら基本テキストの熟読です。これも何度も何度も繰り返し読み返すことにより知識の定着を図りました。問題演習は、TACの過去問題集とTACの発展問題集、それからインターネットで宅建の民法部分の問題演習サイトを利用しました(参照HP:http://tokagekyo.7777.net/1000/cfdtd.html)←このサイトはオススメです。
[行政法] 行政法についても私自身全く知識を持ち合わせていなかったので、TACの講義を受ける前、市販の簡単な要約本(楽学行政書士 法令編1(住宅新報社))を読んでから、講義に臨みました。行政法は、受験生が苦手にしている人が多いようですが、TACの行政法のテキストは論点別によくまとめられていて、判例も交えながらうまく編集されてました。講義中に指摘された重要部分をテキストに書き込みし、講義後は、このTACの基本テキストを何度も熟読を繰り返しました。読み返すたび、はじめは断片的であった知識が、頭の中で論点別に整理されていき行政法の全体像が理解できました。このTACの基本テキストは重要論点はほぼ網羅されていて、重要判例の要旨も記載されいるテキストで、理解に非常に役立ちました。行政法が苦手な方は、論点別にまとめられたテキストを繰り返し読むことをオススメします。学者さんの本はあまり試験対策上の勉強にはあまり役に立たないと思います。問題演習はTACの過去問題集、法学検定試験問題集3級行政コース(法学検定試験委員会編)を中心にやりました。
[地方自治法] 地方自治法はとっつきにくい科目で敬遠される方も多いと思いますが、過去の試験問題分析すると覚えていれば得点できる問題が多いことがわかります。私は、TACの基本テキストを繰り返し読み返すことで、はじめはバラバラだった知識が頭の中が有機的に結びついて整理されていき、比較的得意な科目にすることができました。地方自治法は、条文をただ読んでもほとんど頭に入らないと思います。うまく編集されたテキストを繰り返し読むことにより必ず得点源にすることができると思っています。
[商法] 今年の試験は旧商法での出題ということで、出題傾向が読みにくかったので、TACの講義のみで試験対策としました。繰り返しテキストを読むことや、問題演習もあまりやらなかったので、本番の試験でもかなり失点してしまいました。
[基礎法学] 出題数も少ないことから、これといった対策はしませんでした。問題演習に法学検定試験問題集3級行政コース(法学検定試験委員会編)を利用したくらいです。たまたま今年試験の問題1の内容が、上記のテキストに似たような論点で記述がありました。ラッキーでした。
[記述式] 平成18年度から40字程度の記述式問題が出題されることになりました。今年はその初年度でしたが、問題はいたって標準的レベルでした。TACの基本テキストをしっかりマスターしていれば、簡単に解答できる問題でした。来年度以降、この記述式の難易度がどのように変化するかはわかりませんが、対策としては、ある決まったフレーズは書けるようにしておくことです。例えば即時取得の条件はといわれればするあれとあれとあれと自分の表現でよいので文章に起こせようにすることです。五肢択一式も問題であればうる覚え状態でも答えられる場合がありますが、記述式ではそうはいきません。要は、ある問題が提起されたとき、すぐに解答が想起できる状態になれことです。
今年の記述式の問題の難易度から考えると、そんなに記述式に神経質にならなくてよい思います。聞かれている内容は、どんなテキストにも書かれている基本的な内容です。40字記述になったことで、大事なことは知識のうる覚え状態から、しっかりした知識の定着へと変換することです。文章を書くのが苦手だという方は、40字記述対策用のテキストを用いるとよいかも知れません。今年の問題のレベルを見る限り、用語の定義など暗記しておかなければ解けないような問題ではなかったので、無意味に片っ端から定義などを暗記する必要はないと思います。問題の傾向としては、普通に勉強していれば、これくらいは知っているだろう的な論点からの出題だったようにと思います。今年(平成18年度)の受験生で、来年再チャレンジする方で、問題の解答を見てもピンと来なかった方は、使用しているテキストを見直したほうが良いかもしれません。
 記述式対策の前に、まずやらなければならないこと、それは選択式問題で確実に6割以上とれるようになることです。6割以上取れるようになっていたら、記述対策として、重要論点のうる覚えの部分をしっかりとした知識に定着させていくという順番ではいけばよいと思います。
 記述式問題集をお探しの方は、行政書士突破塾(http://www1.odn.ne.jp/toppajuku/)の記述式問題集がオススメです。行政書士突破塾は行政書士試験専門の通信教育の塾です。私は、記述式の対策問題集だけ購入しましたが、内容が充実しており、他の予備校や参考書とは、次元の違う完成度でした。記述式問題集をお探しの場合はぜひ参考にしてください。
[一般知識等] 範囲が広すぎてこれといった対策はしにくい科目です。実際私も公務員試験用の一般教養の問題集をやったり、TACの講義を受けたりして、わからないところや気になったところはインターネットで深く調べるといったことをしたりして、手探り状態で勉強を進めてました。あとは、行政書士に関する一般知識等ということで、総務省のホームページやメールマガジン等も役に立つかなと思って定期的にチェックしたりしてました。
過去問の活用方法ですが、過去問はただやってみるだけでは何の効果もないと思いました。2度と同じ問題は出ないのですから。しかし、過去問をやっていると行政書士の特有の出題のくせのある問題がたまにあることがわかります。特に一見難解そうな問題に多いの傾向があると思います。今年の試験でもWinny関連の出題(問53)がありましたが、選択肢の中に技術的なことが書いてあって、読むのもイヤになるような問題だったんですが、正解択は実に簡単なものでした。(詳細は過去問を見てくだされればわかります)結局は、普段ニュースを見ていたら十分答えられる常識レベルの問題でした。この問題に関しては、正解肢を消去法でははく、一発で見抜ける問題でした。正解肢はまさに一般知識といった問題でした。これと似たような傾向の問題として平成17年度の問53もこの部類の傾向と思いますので、参考にしてください。このように一般知識等の過去問は特に出題者はなにを聞きたいのかを意識して取り組むとなにかテクニック的ではありますが、解答肢を選ぶに当たって、役に立つものをつかめるのではないでしょうかと思います。とはいってもこのような観点から解ける問題は1〜2問程度かなと思ってます。テクニックに頼りすぎはよくないことは断っておきます。あくまである程度の一般知識がある前提での過去問の利用法の一つをご紹介させてもらいました。
 やはり普段から、最低限テレビのニュースやインターネットのニュースくらいはチェックしておく必要はあると思います。
 それから、平成18年度から個人情報保護法からの出題が明記されましたので、必ず一問は出題されると思い、個人情報保護法のしくみと実務対策(日本実業出版社)という本でしっかり基礎固めをしておきました。
 文章理解に関しては、本年度は3問出題されましたが、いずれも基本的なレベルの問題でした。特に文章理解については対策はしていませんでしたが、私は3問全問正解できました。文章理解に不安がある方は、過去問題集を定期的に取り組むことをオススメします。
☆法令系過去問題集の活用について
過去問は講義の後復習のつもりで一度解いてみるだけで十分だと思います。とくに3年以上前の古い過去問は一度切りでよいと思います。正直近年のものと難易度が違います。重要なのは直近の2年分の過去問です。特に平成18年度から試験制度が変わりましたから、来年受験される方は、平成18年度の過去問はよく傾向を自分なりにでよいので分析しておかれるとよいと思います。試験内容が劇的に前年と比べて難易度が変わるとは考えにくいからです。試験委員さんも同じ方が何年も続けてやっておられる方もいらっしゃいますから、前年度の試験の傾向はよく分析しておかれるとよいと思います。そして、繰り返し解き合格ラインに届くレベルに持っていければ勉強の方向性は間違っていないのではないかと思います。
☆試験本番の心得
毎日、自分が勉強してきたことを信じて、当日はテキストなどは何も持たず、試験会場に行きました。試験会場には30分〜1時間程度早めに着くように行きました。自分の席を早く見つけやすいし、席を見つけたら少し安心するからです。試験開始までは、会場内を散歩したり、まわりの受験生の様子をみたりして、リラックスして過ごしました。ここでテキストなんかを読んだりすると、へんなところであせったりする可能性があるのでそのようなことは一切しませんでした。着席してからは、余計なことを考えずリラックスするよう周りを見渡したりして、目を閉じて気持ちを落ち着かせたりして、試験開始まで、適度な緊張感を保つことができました。
☆これから受験される方にアドバイスがあるとすれば次の4つです。
1)勉強を毎日の日課にする。
2)始めはいろいろテキストを試しても良いですが、コレと決めたらそれ一冊をぼろぼろになるまで熟読してください。予備校に通われている方なら予備校の基本テキストを基本に据えると良いと思います。
3)普段から、文章を早く読むよう心がけてください。速読マスターになる必要はありません。普段から文章を早く読むよう心がけていると自然にそれなりに早く読めるようになってきます。これは意識しなければできません。急に早く読もうとしてもできません。普段から少しでもいいですから、早く読めそうな部分は意識して速読を心がけてください。試験時間の有効活用に役立ちます。
4)眠いときは、仮眠を取る。勉強時間が短くなってもいいですので眠いときは仮眠を取ることをオススメします。眠いままでは、勉強してもたいした効果は得られません。仕事が遅くまであり残業等で帰りが遅くなる人は、早朝に集中して勉強することをオススメします。
☆最後に
勉強方法は人それぞれおかれた状況により異なると思います。行政書士試験の勉強方法に関するたくさんの情報はたくさんあり振り回される部分もあろうかと思いますが、自分にとって有益な情報は何か、情報を選ぶ能力を磨くつもりで接すればよいのではないでしょうか。わたしも、インターネットや雑誌等でいろんな情報に接してきて、惑わされることもありました。しかし、自分にとって有益な情報もその中には埋もれている可能性があります。情報源に積極的にアクセスすることにより、自分に有益な情報を見つけてください。そして、それを見つけだしたら、今の自分に必要なのかを考え、必要だと思ったことはすぐ実行に移しましょう。いろいろと試しているうちに自分の勉強スタイルが確立されてくると思います。自分のスタイルが確立されてきたなと実感ができてきたら、それを貫いてください。私は情報を取捨選択する能力もこの時代必要だと思っています。ちなみに私は情報を検索サイトで探すときは、何十ページも先までチェックします。私は、100件くらい先までチェックすることが多いです。自分の経験的には自分にとってのお宝情報は意外と検索順序の後ろの方に隠されていることがありますね。わたしの合格体験記もこれから受験される方に参考になればうれしいです。
私の行政書士試験合格作戦 2007年版―こうすればあなたも合格する・体験記集 (2007)
私の行政書士試験合格体験記が本に掲載されました。よかったら購入してみてくださいね。内容は上記はほとんど同じですが^^;